不動産屋さん初体験の思い出

「わたし一人暮らしするから」とある不動産屋さんで母に電話をかけた。
物件を見に行った1日目で即決するなんて思ってもみなかった。

実家暮らしが長く、経験したことのない一人での生活に不安がなかった訳ではない。
生活面でも、経済的な面でもかなりの不安はあった。
実家暮らしをしている時、水道光熱費がいくらかかっているかなんて、考えたこともなかった。
母がガス代の明細を見て、「今月高いわー」なんて話をしていても全く興味を示さなかった。
一人で暮らすことになると、自分の給料で自分の生活費を稼いでいかないといけない。
わたしはお尻に火がつかないと動かないタイプなので、とりあえずやってみようと考えた。息詰まったらその時に考えようと。

「いい歳して実家暮らし」という世間からの目も嫌だった。親に頼りきりの生活で、親も子離れできない状態だった。
これはわたしから離れるべきなんだろうなと考え始め、軽い気持ちで不動産屋さんの扉を開けた。

初めての不動産屋さん。リフォーム屋さん
少し緊張して、「初めてなので」と話をすると、立地や治安、家賃、敷金・礼金など1から丁寧に教えてくれた。
早速その日に物件を見に行くことになって、少しわくわくした。
営業マンの運転する車に乗り、その日は2件マンションをまわることになった。
新築マンションを見られるとのことで、はやる気持ちを抑えて、営業マンとのたわいもない会話に耳を傾けていた。

一番初めに見た部屋がその新築物件だった。

まだ誰も入られてないこともあり、傷一つないピカピカの部屋だった。
自分が住むイメージをした。

ここにテレビ。ここにベッドを置こう。
ソファも置きたいな。
あ、でも部屋狭くなるかな。

そんなことを考えながら、営業マンの設備の説明を受けた。
窓からの眺めもよく、年に一回の花火大会もベランダから見えるとのこと。
一緒に見に行った彼氏もベタ褒めだった。

2件目。
住宅街の中にあるアパートで、1件目よりも少し狭く、設備、防犯面でも少し不安なところがあった。

初めて見に行った物件が良過ぎて、他の物件が霞んで見えてきた。
「こんないい物件なかなかないですよ」
その営業マンの一言に即決してしまった。

今ではその営業マンの一言、彼氏の推しに感謝している。
住み心地の良さを肌で感じているからだ。